04.26.08:34
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04.11.22:19
それは11日の昼の事
だるい。
あおい。
ねむい。
しろい。
さむい。
「なら、サボってねーで教室入れってか。」
誰に言うでもなく智也は呟く。
もちろん、返ってくる声はない。
近くから小鳥の歌が聞こえ、遠くからは体育の授業中であろう生徒の言葉が響く。
現在の気温、19度。天気、曇り。
寒いかと言われれば其処まで寒くはない。
だが、長袖のシャツ1枚で居られるほどの温度はなかった。
銀誓館学園の屋上で寝そべっていた智也は流石にコンクリートの床が肌寒く感じたのかのっそりと半身を起こす。
午前中までは真面目に授業に出ていた彼だが、元々授業に興味を示していなかった上、午後からは面倒くさい社会から始まる為、これ幸いと逃げ出してきた。
「昔の事なんてべんきょーしてどうすんのかねぇ。」
両手をべったりと地面につけたままふわふわと漂う雲を見上げゆっくりと目で追う。
「どうせ教訓にすることなんか人間に出来ねーんだから勉強するだけ無駄だと思うんだけど……なぁ?」
まるで其処に誰かが居るかのように空に向かって哂った。
少しの間そうやって笑っていたが、急にそれをぴたりと止める。
無駄の無い動きで立ち上がり辺りを見回す。目的のモノが感じられず、一つ溜息。
後頭部をがりがりと自分の爪で掻きながら、怪訝そうな顔をする。
確かに聞こえた気がしたのに。
耳障りな音が、聞こえた気がしたのに。
癇に障る、音が、確かに、したはずなのに。
怪訝な表情が不機嫌な表情へと変わり、そのまま俯いた。
「……疲れてるんだ。今日はこのままどこかで遊んで帰れば良いんだよ。可愛い女の子にでも声をかけたり公園に居る子供たちに一芸見せてあげれば良いんだ……。」
俯いたままぶつぶつと言い聞かせる。言い聞かせる。何度も同じ言葉で。繰り返し。
何度も。
何度もそれを繰り返し、勢い良く顔を上げ、いつものようにニカリと笑う。
「よっしゃ、サボってどっか遊びに行くか!」
それは、公園の子供達の拍手を見て、寮に帰るとプールで優勝した事を聞かされた
2時間前の話
あおい。
ねむい。
しろい。
さむい。
「なら、サボってねーで教室入れってか。」
誰に言うでもなく智也は呟く。
もちろん、返ってくる声はない。
近くから小鳥の歌が聞こえ、遠くからは体育の授業中であろう生徒の言葉が響く。
現在の気温、19度。天気、曇り。
寒いかと言われれば其処まで寒くはない。
だが、長袖のシャツ1枚で居られるほどの温度はなかった。
銀誓館学園の屋上で寝そべっていた智也は流石にコンクリートの床が肌寒く感じたのかのっそりと半身を起こす。
午前中までは真面目に授業に出ていた彼だが、元々授業に興味を示していなかった上、午後からは面倒くさい社会から始まる為、これ幸いと逃げ出してきた。
「昔の事なんてべんきょーしてどうすんのかねぇ。」
両手をべったりと地面につけたままふわふわと漂う雲を見上げゆっくりと目で追う。
「どうせ教訓にすることなんか人間に出来ねーんだから勉強するだけ無駄だと思うんだけど……なぁ?」
まるで其処に誰かが居るかのように空に向かって哂った。
少しの間そうやって笑っていたが、急にそれをぴたりと止める。
無駄の無い動きで立ち上がり辺りを見回す。目的のモノが感じられず、一つ溜息。
後頭部をがりがりと自分の爪で掻きながら、怪訝そうな顔をする。
確かに聞こえた気がしたのに。
耳障りな音が、聞こえた気がしたのに。
癇に障る、音が、確かに、したはずなのに。
怪訝な表情が不機嫌な表情へと変わり、そのまま俯いた。
「……疲れてるんだ。今日はこのままどこかで遊んで帰れば良いんだよ。可愛い女の子にでも声をかけたり公園に居る子供たちに一芸見せてあげれば良いんだ……。」
俯いたままぶつぶつと言い聞かせる。言い聞かせる。何度も同じ言葉で。繰り返し。
何度も。
何度もそれを繰り返し、勢い良く顔を上げ、いつものようにニカリと笑う。
「よっしゃ、サボってどっか遊びに行くか!」
それは、公園の子供達の拍手を見て、寮に帰るとプールで優勝した事を聞かされた
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